大事なのはどっち?睡眠時間?睡眠の質?
子どもの脳や体の発達には睡眠が欠かせません。
「睡眠の質を上げれば短時間睡眠でよくなる」
と聞くことがありますが、これは大人も子どもも正しくありません。
睡眠はその人が必要としている時間の長さを睡眠の質を損なわず眠るのが重要です。(体内時計に沿ったタイミングで睡眠をとることも重要!)
子どもの発達には、睡眠時間も質も大切ということを、子どもの脳の発達と睡眠の関係に着目して解説します。
目次
脳の神経ネットワークの発達を道路に例えると・・・
生まれてすぐの神経ネットワーク
スタートからゴールにたどり着く道(神経ネットワーク)を試行錯誤しながら増やしてつなげる始める時期。神経ネットワークが爆発的に増えます。
0~5歳頃の神経ネットワーク
たくさんの経験をしながらゴールにたどり着く道を増やしていきます。神経ネットワークはこの頃が一生で一番多くなります。道も密にできていますね。
でも…道は増えたけど、あれ?どの道が最短コース?
5~13歳頃の神経ネットワーク
使わない神経ネットワークを減らしてスッキリ。最短コースを選べるように。
その後も神経ネットワークの断捨離(刈り込み)と整理が進んで、成人の脳神経の数は生まれてきた時の数に近づきます。
これらの神経ネットワークの発達は睡眠中に行われています。
十分に神経ネットワークの構築・刈り込みを行うために、睡眠不足は良い影響を与えないでしょう。
参考文献)駒田 陽子 , 井上 雄一編,2019,子どもの睡眠ガイドブック: 眠りの発達と睡眠障害の理解
睡眠ステージを脳を学校に例えると…。
睡眠中は主に脳を休めるレム睡眠と主に体を休めるノンレム睡眠の睡眠サイクルを繰り返しています。
この繰り返しの回数など、規則的に脳波が変化する様は、プログラムされたように次々と変わっていきます。
寝ている時の脳の中を学校に例えてみました。
レム睡眠中の脳
レム睡眠中の脳の神経は活性して大騒ぎ!脳波は小刻みに不規則な波形をしています。
レム睡眠は主に体を休めて、夢を見ながら記憶の整理をしているといわれる時間帯です。
※レム睡眠中は、大人は神経ブロックが効いて身体が動かない状態になっていますが、赤ちゃんは神経ブロックがまだまだ未熟で動いたり寝言泣きをしやすいですよ。
ノンレム睡眠中の頭の中
脳全体の神経が同調してゆったり状態。脳波は大きな揃った波形になります。
ノンレム睡眠は脳がしっかり休む時間といわれています。身体の調整をしたり、記憶の整理もこの時間にも行われています。
レム睡眠・ノンレム睡眠、どちらの睡眠にも、成長発達、健康や前日の記憶を生かして日中の活動をしやすくするための大切な役割があります。
学校生活でも授業の質は学習の内容に影響しますし、休み時間も充実して過ごすのが大事ですよね★
つまり…睡眠の質と睡眠時間の長さどっちも大事。
休み時間(REM睡眠)と授業(NREM睡眠)どちらも充実していることが、子どもの学びにとっては大切です。
さらに、たとえ質が高い授業でも、1日の授業が3時間目で終わってしまうのと、1日5時間目までしっかり学ぶのでは、学べる量の差は出てくることは想像がつきますね。
つまり、睡眠に重要なのは
睡眠の質と睡眠の長さどちらも大切!
この他、睡眠不足の脳の状態を解説した記事もどうぞ★
必要な睡眠量はどのくらい?
では、どのくらい睡眠時間が必要なのか、参考になるデータをご紹介します。
米国睡眠財団は大規模な調査により、推奨睡眠量のガイドラインを発行しています。
推奨されている時間の幅が数時間あり個人差があるのが分かりますね。まずはこの推奨時間を下回らないように意識して、気持ちよく過ごせる睡眠の長さを知ることが大切です。
推奨量より少ないからといってすぐに悪影響が出るわけではありませんので、神経質になり過ぎず、日中のイライラ、疲れなど日中気持ちよく過ごせているかを考えてみてくださいね。
赤ちゃんなら、
- グズリがひどい
- 月齢が高くなっても日中ふとした時に寝落ちてしまい毎日規則正しいお睡眠リズムにならない
等の場合は睡眠不足が隠れている可能性がありますので、目安の量が眠れるように意識してみてください。
<推奨睡眠時間>
- 生後0~3ヵ月:14~17時間(24時間)
- 生後4~11ヵ月:12~15時間 (24時間)
- 1~2歳:11~14時間 (一晩に)
- 3~5歳:10~13時間 (一晩に)
- 6~13歳:9~11時間(一晩に)
- 14~17歳:8~10時間(一晩に)
- 成人:7~9時間(65歳以上は7~8時間)
クークールナでは、妊娠期~学童までの
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