【魔の3ヶ月】生後3〜4ヶ月で急に寝なくなった?夜泣き・睡眠退行の原因と対策

「今まで比較的よく寝ていたのに、急に寝なくなった」
「お昼寝が30分で起きるようになった」
「夜中に何度も起きるようになった」
「寝かしつけが急に大変になった」
生後3〜4ヶ月ごろになると、このような睡眠の変化に戸惑うご家庭が増えてきます。
いわゆる「魔の3ヶ月」や「生後3ヶ月の睡眠退行」と呼ばれる時期です。
でも、これは赤ちゃんの睡眠が「悪くなった」というより、脳と睡眠の発達によって、これまでとは違う眠り方へ移行している時期と考えるとわかりやすくなります。
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ睡眠と覚醒の仕組みが発達途中です。ところが生後3〜4ヶ月ごろになると、体内時計が整って昼夜の区別がつきやすくなるとともに、睡眠の構造も少しずつ変化します。
さらに、睡眠と覚醒を切り替える脳の仕組みも発達していきます。
そのため、この時期には「眠れるようになってきたからこそ、一時的に寝にくくなる」ということもあります。
この記事では、生後3〜4ヶ月の赤ちゃんが急に寝なくなったり、夜中に起きたりする理由を、睡眠の発達と脳の仕組みからわかりやすく解説します。
目次
生後3〜4ヶ月の「魔の3ヶ月」では何が起こる?
この時期には、次のような変化が見られることがあります。
- 今までより寝つきにくくなった
- 寝ぐずりが増えた
- 夜中に起きる回数が増えた
- お昼寝が30〜45分程度で終わるようになった
- 抱っこから布団に置くと泣くようになった
- 明け方に眠りが浅くなったように感じる
- 眠る前に激しく泣くようになった
「せっかく寝るようになってきたのに、また夜泣きが始まった」と感じるかもしれません。
しかし、生後3〜4ヶ月は、睡眠が大きく変化する発達段階です。
特に重要なのが、
①昼夜のリズムが発達する
②睡眠の構造が変化する
③睡眠と覚醒を切り替える脳の仕組みが発達する
という3つの変化です。
生後3〜4ヶ月に睡眠が変わるのはなぜ?脳と睡眠の発達
新生児期の赤ちゃんの睡眠は、大人の睡眠とはかなり違います。
生まれたばかりの赤ちゃんは、昼夜を問わず短い睡眠を繰り返します。睡眠の構造もまだ単純で、成長するにつれてREM睡眠・NREM睡眠の区別がはっきりし、より大人に近い睡眠構造へと変化していきます。
そして、生後3〜4ヶ月ごろには、この変化が目立ってきます。
①体内時計が少しずつ「昼と夜」を区別するようになる
新生児期には、睡眠と覚醒が24時間の中に細かく分散しています。
そこから成長すると、明るい時間に起きている時間が増え、夜にまとまって眠る方向へと変化していきます。
これは、睡眠を調整する**概日リズム(体内時計)が発達してくるためです。
赤ちゃんの睡眠は、単に「疲れたから眠る」という仕組みだけで決まっているわけではありません。
眠っている時間が長くなるほど眠りやすくなる睡眠欲求(Process S)と、体内時計によって変化する眠りやすさ(Process C)**が関係しています。これは睡眠研究で広く使われている「2プロセスモデル」で説明されています。
生後3〜4ヶ月は、この2つの仕組みがよりはっきり働き始める時期でもあります。

2プロセスモデル
②睡眠の構造が変化し睡眠サイクルができる。
赤ちゃんの睡眠は、ずっと同じ深さで眠っているわけではありません。
眠りが深くなったり浅くなったりしながら、一定の周期を繰り返しています。
乳児期の睡眠周期は大人より短く
お昼寝→30~45分/ 夜→50~60分
サイクルが1周して深い睡眠が終わり、睡眠の段階が切り替わるタイミングで、一時的に覚醒しやすくなります。
この「ちょっと目を覚ます」という現象そのものは、必ずしも睡眠の問題ではありません。
問題になるのは、
目を覚ましたあと、再び眠りに戻れるかどうか
です。
そのため、
「お昼寝が30分で終わる」
「夜中に何度も目を覚ます」
という変化が、この時期に目立つことがあります。
睡眠サイクルの切れ目で、
- 周囲の音や光が気になる
- 眠る環境が変わった
- 抱っこから布団に置かれた
- 入眠したときと状況が違う
- まだ眠る力が十分に育っていない
などの要因が重なると、そのまま起きてしまうことがあります。
ただし、「30分しか寝なかった=睡眠不足」と単純に判断するのではなく、その子の1日の睡眠量や機嫌、起きている時間などを合わせて見ることが大切です。
③夜の睡眠ステージが発達し始める。
夜中も、寝付いてから3時間以降からは、浅い睡眠が何度も定期的に出てきて寝言泣きも多くなります。
このことで、睡眠が浅くなったような感じがしたり、「お腹が空いている?」と勘違いして、減っていた夜間授乳が授乳が増えて「入眠の癖」になりやすくなります。

- 生後3ヵ月以降の夜の睡眠構造
④大脳辺縁系の急発達(敏感期)
この頃から、脳の感情(不快、気持ちいいなど)を感じて表現する大脳辺縁系が急速に発達して自分に起こっていることに対して、敏感に反応するようになります。
「眠気」を「不快」と感じたり、近くに家族がいなくて不安になったり、眠いのに明るかったり寝つきにくいところにいると、泣いて自分の気持ちを表現できるように。
また、寝不足や疲れすぎの状態(寝かしつけのタイミングが遅い)になると、脳が興奮状態になりギャン泣き。
こうなると自分ではその興奮を沈めることができません。欲求や興奮をコントロールする脳(大脳前頭前野)が発達するすのはまだちょっと先なんです★
寝室環境の整え方はこちらをご覧ください★
フリップフロップモデルから見る「急に寝なくなった」理由
ここで、生後3〜4ヶ月の睡眠を理解するうえで知っておきたいのが、睡眠・覚醒のフリップフロップモデルです。
フリップフロップとは、睡眠と覚醒を「スイッチ」のように切り替える仕組みを表した考え方です。
脳の中には、
眠りを促す神経回路
と
覚醒を促す神経回路
があり、お互いを抑制し合うことで、睡眠と覚醒を安定して切り替えると考えられています。
イメージとしては、シーソーのようなものです。
覚醒側が優位になると「起きている」状態になり、睡眠側が優位になると「眠っている」状態になります。
この仕組みによって、睡眠中に簡単に覚醒へ戻ってしまわないよう、睡眠状態が安定します。
赤ちゃんでは、この仕組みも発達の途中
ただし、乳児の睡眠・覚醒システムは、大人とまったく同じ状態で生まれてくるわけではありません。
乳児期には、睡眠と覚醒を切り替える神経回路そのものが発達していきます。
特に、成人で知られている視床下部などの睡眠・覚醒制御系だけではなく、発達初期には脳幹を中心とした神経回路が重要な役割を担う可能性も示されています。
つまり、生後3〜4ヶ月は、
「赤ちゃんの脳が急に完成する時期」ではなく、睡眠と覚醒を調整する神経システムが発達し、睡眠の組織化が進んでいく時期
と考えるのが適切です。
そのため、今までとは睡眠の様子が変わって、
「急に寝なくなった」
「夜中に起きるようになった」
と感じることがあります。
退行期ののりきり方
<短いお昼寝の対策>
✔お昼寝を長くしようと頑張りすぎず活動時間(90分~120分)を目安にこまめに寝かせてあげましょう。
<寝ぐずり対策>
✔寝ぐずりが始まる前に、寝かしつけてあげましょう。この頃の活動時間は約90~120分が目安です。
✔心地よいと感じられるよう、眠気を感じたらスキンシップを。
✔赤ちゃんが心地よい姿勢で寝かしつけを。 体がねじれないような抱っこが大切。縦抱きは首肩に負担がかかります。
落ち着いたら、スキンシップを寝落ちるまで続ける必要はありません。お布団に置き、静かに手足を握り、目を合わせないのがコツ。
※この時期は、泣いてお布団に置けなければ抱っこで寝てもOKです!また別の日にトライしましょう。
<一人で寝る力を育む>
✔「寝かしつけの癖をつけないように」と無理しない。退行期が落ち着いてきたら一人で寝る練習を開始。
✔一人でゴロゴロできる時間が増えてきて、寝ぐずり前のネンネのタイミングがわかってきたら、お布団に置いて、ネンネを始めるチャンス!
起きているうちにお布団に置く「Drowsy but Awake(眠いけどまだ起きている)」が小さい赤ちゃんから月齢が上がってもトレーニングのはじめの一歩になりますよ。
✔ゴロゴロ、ママやパパから離れても落ち着けるように起きてご機嫌な時間に、腹ばい運動をたくさんしておきましょう。
✔夜中の授乳間隔は日中の授乳間隔より長くなるように。
(夜中の自然覚醒の時に空腹以外のタイミングでの授乳は「吸って寝る」の癖はつきやすく、日中の栄養摂取が減ってしまいます。空腹以外のタイミングで起きたら抱っこなどで寝かせましょう。)
✔長く寝るからといって抱きっぱなしにせず、1日何回かは布団で眠る習慣をつけるようしましょう。
NG! 泣いても抱き上げない、などの「泣かせるネントレ」はまだ早い時期。長時間泣かせて寝るのを待つ方法はなるべく避けてくださいね。
また、眠気に沿って眠るのも大切です。眠いのに「入眠の癖」を気にして泣かせると「寝る前は泣かなくちゃ」と泣くことが癖になりますので、まずは寝やすい方法で眠気に沿って眠ることを優先して「ネンネと仲良く」なってもらう方が落ち着きやすいです。
インスタ投稿で解説しました★『泣かせるネントレ生後6ヵ月がNGの理由』★
魔の3ヶ月はいつまで続く?
寝ぐずりが激しく、抱っこから降ろすとギャン泣き!の大変な時期。いつ終わるか気になりますよね。
早ければ2~3週間、遅くとも生後5か月を過ぎると必ず少しずつ改善が感じられると思いますよ。
その頃になると腹ばいで遊べる時間も少しずつ増えて、ママの抱っこを離れて一人でいる時間も少しずつ長くなってきます。
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- この記事の執筆者
-
子どもの睡眠相談室クークールナ
代表 川口リエ
・GuuMinスーパーバイザー
・クークールナスリープアカデミー講師



