辛い育児中のママの不眠‐ママソムニアmomsomnia
ママソムニアとは、育児中の「ママ(mom)」と「不眠(insomnia)」を組み合わせた造語「ママソムニア(momsomnia)」でママの不眠症のこと。
育児中は、体力も使うし、常に神経が張り詰めた状態。さらに夜も夜間授乳や夜泣きがあれば、その睡眠不足の辛さはひときわですよね。
欧米では「産後や育児中は眠れない」を当たり前にせず、ママたちの健康のために大切にしていこうという考えが広がっています。
クークールナのクライアント様たちも、せっかく夜泣き改善が進んで、赤ちゃんのネンネが安定してもママの方がすぐには眠れない…ということが良くあります。そんなママにはお子様の睡眠改善に続いてママへのサポートをすることも多いです。
今日はママの不眠、ママソムニアについてのお話しです。
目次
ママソムニア(momsomnia)とは?
①就寝時間先延ばしタイプ
寝る時間を”先延ばし”にして睡眠時間を減らしてしまうこと。
米国Pediatric Sleep Council の解説によれば、本来の意味は、
子どもが寝た後、自分の就寝時間になっても「寝ようとせず」遅寝になり睡眠不足になってしまうことです。つまり、自分の睡眠時間を優先せず他のことに気をとられ就寝時間を先送りしてしまう状態のことを指します。
一方、一般的な「不眠症」は、自分の睡眠を優先しても寝付けなかったり夜間寝続けることができないことを指しています。(Pediatric Sleep Council)
つまり、寝られる状況、時間になっても、”寝ない”ことで、睡眠時間が短くなってしまっていることを言います。
②ぐっすり睡眠回避タイプ
上記のように”自分で寝ようとしない”状態のことを指しますが、最近ではもう少しママの睡眠不足の状態を広く捉えられてきて、
- 夜中、自分がぐっすり寝たと思ったとたんに起こされてしまうことが多く深く眠れなくなる。例えば、赤ちゃんの授乳時間になる前から目を覚まし待機してしまう。
- 赤ちゃんに危険はないか、常に気になってしまい睡眠が浅くなる(赤ちゃんの少しの音でも起きてしまう)
など、夜、ベッドに入った後もちょこちょこ起きてしまったり、ぐっすり寝つけないというトラブルがあります。
ママソムニアの対処法
①「寝る時間を先延ばし」タイプ
子どもが寝た後のつかぬ間の時間。ストレス発散やママが自分を取り戻すために、精神衛生上とっても大切ですね。
ただし、この貴重な時間を自分で「終わらせて寝る」ことが、子どもと同じく大人にとっても難しいことがあり、寝たほうがいいと思ってもついつい夜更かし…翌朝スッキリ起きられず、睡眠不足の疲れが残ってしまう、という悪循環に。
このタイプに大切なのは、「睡眠時間も大切なもの」と自覚すること。
夜に静かで自分だけの楽しい活動をする時間をつくることと、睡眠のための時間を作ることの間には微妙なバランスがあります。心身ともに生き生き過ごせるバランスを見つけてくださいね。
<対策>
週に何日かコンスタントに早寝をする日を決めたり、毎日5~10分早く寝るようにするのがおすすめです。
②ぐっすり睡眠回避タイプ
妊娠中、お腹の中で動き回る赤ちゃんが気になったりホルモンの作用で睡眠が浅くなることに慣れてしまったママ。生まれてからは、授乳の時間を計ったりとにかく気が休む暇がないですね。
このタイプのママはとにかく「安心」が大切。
まずは、ママも安心して眠れるように、赤ちゃんには「安全な寝床を準備」すること。
そして、育児の心配がある時は、すぐに信頼できる人・専門家に相談してくださいね。
たくさんの赤ちゃんを見ている専門家なら、「個性の幅」も把握して、本当に心配が必要な状態かどうかアドバイスをくれるはず。
(赤ちゃんの安全な寝床については過去の投稿をご確認ください★
<タイプ共通>ママの安眠に大切なこと
①夜泣きや早起きの睡眠トラブルは解決しておく。
子供の睡眠時間は最低10時間、大人の睡眠は7~8時間。子どもに合った起床就寝リズムにすると、子どもが寝た後少なくとも2~3時間は「大人の時間」が確保できるはず。
そして、せっかく早く寝かせていても、夜中頻回に起こされてはゆっくり休めません。
月齢に合った夜間授乳の回数に。
夜中の自然覚醒のタイミングで子どもも自分再入眠できるようにしておくことが、親子ともにぐっすり寝て元気に起きるために不可欠です。
②リラックスの時間を決める。特に終了時間を決めておくのが大切。
何時に寝たら、朝スッキリ起きられますか?はじめは疲れがたまっていて「いくらでも眠れる」かもしれませんが、疲れが取れてくると自分の必要な睡眠時間が見えてきますよ。一般的には7~8時間といわれています。
③スマホにアラームセット。スクリーンオフの時間が来たらスイッチを切りましょう。
ついついスマホや後で見ようと思った番組を見続けて数時間…惰性で見続けてしまうもの。アラームセットでメリハリを。
④”赤ちゃんと一緒にお昼寝”はほどほどに。
赤ちゃんは小まめな昼寝が必要ですが、大人は昼寝が長すぎると夜の寝つきに大きく影響してきます。特に午後の昼寝は要注意。短時間に抑えて、「夜眠くなる」ようにしないと早く寝付けません。
⑤ママも寝る前のルーティーンを作りましょう。
スクリーンをオフした後、軽ーくストレッチをしたり、アロマをたいたり、寝る前のルーティーンは赤ちゃんと同じく大人の睡眠にもとても効果がありますよ。短くてもいいので毎日同じお気に入りのリラックスタイムを。
⑥眠くなってからベッドに入る。
「早く寝なくちゃいけない」と思い眠くないのにベッドに入り「やっぱり眠れない…」と焦る経験は「自分は寝付けない」という間違った認識が強くなってしまいます。夜、スクリーンをオフしてルーティーン。眠気を感じたらベッドに行き、ベッドは「眠るところ」にしましょう。
⑦それでも毎日睡眠不足でやる気が起きない、辛いと思ったら専門医に相談を!
赤ちゃんはしっかり寝ているのに、自分の睡眠不足の状態でつらい毎日が続いたら、迷わず睡眠を診てくださる専門医を受診してくださいね。心のSOSは自分では「大丈夫」と頑張ってしまいがちですが、自分だけでなく家族のためにも少しでも楽に。笑顔を増やせる選択肢です。
(参考:Pediatric Sleep Council, What is “momsomnia,” and what can I do about it?)
クークールナでは、赤ちゃんの睡眠を安定させることでママソムニアの解消のお手伝いをしています。また、お子様の睡眠トラブルが改善した後も、ママがうまく寝れないというご相談も多く、”ママのネントレ”のアドバイスもさせていただいておりますよ。まずは、
- 生後5か月以降も夜中の頻回起き・授乳が続いている。
- 寝かしつけも夜中も抱っこで寝かせていてつらい。
- 子どもの就寝時間が遅い。遅い気がする。
- 今の月齢・年齢に合った子どもの生活・睡眠スケジュールを知りたい
など、ママの睡眠不足改善の土台となる、赤ちゃんの睡眠を安定して「夜中もぐっすり寝てくれる」安心を。