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Column 睡眠のおはなし

【専門家解説】2022年改定!乳幼児突然死症候群(SIDS)ガイドライン/アメリカ小児学会~安全安心な赤ちゃんの寝具・寝室

睡眠のベース(環境・体内時計など)
【専門家解説】2022年改定!乳幼児突然死症候群(SIDS)ガイドライン/アメリカ小児学会~安全安心な赤ちゃんの寝具・寝室

赤ちゃんの睡眠を考える上で最も大切なこと。それは、赤ちゃんの安全です。夜泣きも、寝ぐずりも赤ちゃんが元気にいてこそのお悩みですよね。

それまで健康で身体的な問題がなかった赤ちゃんが原因不明で突然亡くなってしまうことがあり、「乳幼児突然死症候群(SIDS)」といわれています。

原因不明なのですが、リスクを上げる要因が関係していると研究で分かっています。アメリカ小児学会のガイドラインは科学的信頼度も高く、細かいリスクを指摘していますのでご紹介します。

是非、このガイドラインを参考に赤ちゃんの寝室や眠る環境を整えてください。夜中「息しているかな?」の心配を減らして、親子でぐっすり眠ってくださいね。

乳幼児突然死症候群リスクを減らすための安全な睡眠環境のガイドライン2016年以降初めて、2022年6月に見直されましたので、更新いたします☆

Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2022 Recommendations for Reducing Infant Deaths in the Sleep Environment,Rachel Y. Moon, MD, FAAP;Rebecca F. Carlin, MD, FAAP;Ivan Hand, MD, FAAP;THE TASK FORCE ON SUDDEN INFANT DEATH SYNDROME AND THE COMMITTEE ON FETUS AND NEWBORN

 

<米国小児学会 乳幼児突然死症候群(SIDS)ガイドラインHealthy children.org 2022年6月21日改定版 ※抜粋翻訳

~1歳までに気を付けたいこと~

寝かせるときはいつも仰向けで寝かせる

※吐き戻しがある赤ちゃんでも、水平なマットレスの上に仰向けで寝かせる。

寝具の表面は水平、硬め、タバコのニコチンがついていないこと。

※10度の傾斜でも乳児にとっては危険。
※ハンモックやベッドインベッド、ベッドネスト(授乳クッション、ドッカトットなど)で寝かせない。その他、赤ちゃんの安全な寝床としてデザインされたものでないものには寝かせない。
※カーシート、ベビーカー、バウンサーなどで寝てしまったら、できるだけ早く水平な安全なマットレスに仰向けに寝かせる。

眠る布団(マットレスなど)の表面は硬く、シーツはしっかり緩みなくかける。掛布団、枕などの寝具や柔らかいものを置かない

※冬用の厚手の毛布、冬用の厚みと重みのあるスリーパーなどは寝具のそばに置かない。

添い寝をせずに、生後6カ月までは保護者と同室に寝かせる。

※赤ちゃんの布団は親とは独立した赤ちゃん用のものを使用する。寝床をシェアせずに、親とは別寝床で同室で寝る。
※大人のベッドであやした後は必ず赤ちゃんのベッド・寝床に戻す。
※大人のベッドで一緒に寝てしまう可能性がある場合は、枕やシーツ、掛布団を一切置かず、赤ちゃんの頭部にかからないようにすること。さらに温めすぎないようにすること。

SIDS、窒息、閉じこめ、首への絡まりなどのリスクを減らすため、枕、ぬいぐるみ、掛布団、ベッドパッド、毛皮状のもの、緩んだシーツなど、柔らかいものや取れやすい寝具などを取り除いておく

お昼寝や就寝時におしゃぶりを使用する。

※おしゃぶりをして寝付いているとSIDSのリスクが下がることが分かっていますが、その理由は明らかになっていません。

妊娠中や出生後、たばこへの暴露を避ける

妊娠中や出生後、アルコールや違法薬物を避ける

温めすぎや、頭部を覆うこと(帽子など)を避ける。

※汗をかいていないか、胸が熱くなっていないか、顔が赤くないかをチェックする。
※部屋の中では帽子をかぶせない。

妊娠中の女性は、定期的な妊婦健診を受ける。

安全な睡眠のための推奨事項と矛盾する商品の使用を避ける。(使用方法を遵守する)

乳幼児突然死症候群のリスクを低減する目的で家庭用呼吸モニターを使用しない。

目を離さない状態で腹ばい運動を行うことで、発達を促し頭蓋変形を予防する

※腹ばい運動は、保護者が目を離さない状態で、段階的に増やして、生後7週までに毎日合計15〜30分以上行うようにします。

おくるみがSIDSのリスクを下げるエビデンスはない。おくるみの使用についての注意

※おくるみをしている場合も、仰向けに寝かせる。
※厚すぎるスワドルや、厚着をさせてのおくるみは避ける。
※きつくなりすぎないように注意。呼吸を妨げないように。また、お尻が動くようにくるむ。
※寝返りの兆候が現れたらやめる。通常は生後3~4ヶ月ごろですが、それより早いことも。

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川口リエ
この記事の執筆者

子どもの睡眠相談室クークールナ

代表 川口リエ(CISA認定小児スリープコンサルタント講師)