赤ちゃんの睡眠を考える上で最も大切なこと。それは、赤ちゃんの安全です。夜泣きも、寝ぐずりも赤ちゃんが元気にいてこそのお悩みですよね。
それまで健康で身体的な問題がなかった赤ちゃんが原因不明で突然亡くなってしまうことがあり、「乳幼児突然死症候群(SIDS)」といわれています。
原因不明なのですが、リスクを上げる要因が関係していると研究で分かっています。アメリカ小児学会のガイドラインは科学的信頼度も高く、細かいリスクを指摘していますのでご紹介します。
是非、このガイドラインを参考に赤ちゃんの寝室や眠る環境を整えてください。
夜中「息しているかな?」の心配を減らして、親子でぐっすり眠ってくださいね。
<米国小児学会 乳幼児突然死症候群(SIDS)ガイドライン ※抜粋翻訳>
SIDS and Other Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2016 Recommendations for a Safe Infant Sleeping Environment,Pediatrics November 2016, 138 (5) e20162938; DOI: https://doi.org/10.1542/peds.2016-2938
- 1歳になるまでは、寝かせるときはいつも仰向けで寝かせる。
※ただし、寝返り返りが自由にできるようになったら必ずしも仰向けにしなくてもよいが、②にあるように硬いマットレスと柔らかいものを置かない安全な環境を整えることが鉄則。 - 眠る布団(マットレスなど)の表面は硬く、シーツはしっかり緩みなくかける。掛布団、枕などの寝具や柔らかいものを置かない。
※1歳になるまではぬいぐるみなど「ネンネのお友だち」はベッド・お布団のそばに置かない。 - 理想としては1歳まで。少なくとも生後6か月までは、赤ちゃんは両親と同じ部屋で寝かせ、ベッドは両親のベッドの近くに置く。赤ちゃんの布団は親とは独立した赤ちゃん用のものを使用する。
- 乳幼児突然死症候群、窒息、閉じこめ、首への絡まりなどのリスクを減らすため、赤ちゃんの眠る場所から柔らかいものや取れやすい寝具などを取り除いておく。
- お昼寝や就寝時におしゃぶりを使用することを検討する。
- 妊娠中や出生後、たばこへの暴露を避ける。
- 妊娠中や出生後、アルコールや違法薬物を避ける。
- 暑くなりすぎないよう、室温や着せる物に注意。頭部を覆うこと(帽子など)を避ける。
- 妊娠中の女性は、定期的な妊婦健診を受ける。
- 安全な睡眠のための推奨事項と矛盾する商品の使用を避ける。(使用方法を遵守する)
- 乳幼児突然死症候群のリスクを低減する目的で家庭用呼吸モニターを使用しない。
- 目を離さない状態で腹ばい運動を行うことで、発達を促し頭蓋変形を予防する。