寝る前の母乳・ミルク&ベッドタイムスナック(赤ちゃんの牛乳の注意点)
睡眠と栄養の視点から寝る前の母乳・ミルクのタイミングや止め時を整理します。
寝る前の母乳やミルクのタイミングや止め時に迷っている方。
1歳に近づいたらミルクを止めて牛乳に切り替えようかな?という声も聞かれますが、ちょっと待ってくださいね。
目次
夜泣きを防ぐ寝る前の母乳・ミルクのタイミング
まずは、夜の睡眠を安定させる視点から、寝る前の母乳・授乳のベストなタイミングは月齢によって変わってきます。
生後3か月ごろまで
生後3か月ごろまでは睡眠は未熟で、浅い睡眠と深い睡眠が規則正しいサイクルにはなっていません。
この頃の赤ちゃんは、しっかりお腹を満たしてあげることが長く寝るためのポイント。
眠くなる時間が近づいたらルーティーン→寝る直前に母乳/ミルクで寝かせる感じもOKです❣
特に新生児~1か月の赤ちゃんは「飲む」ことで疲れて寝落ちることも多いでしょう。
※もちろん、授乳で寝落ちないなら、お口に何もない状態で寝付く習慣をつけるチャンス。授乳ミルクの後に、抱っこやトントンなどで寝かせてあげましょう。
<POINT>
低月齢では母乳・ミルクで寝落ちてOK。満腹にして長く寝てもらいましょう。
※授乳・ミルクの後寝落ちなくても、もちろんOK!
お腹いっぱいになった後抱っこやトントン。
「一人寝る練習」になります☆
生後3か月以降~
生後3ヶ月以降は体内時計がしっかりしてきて、睡眠サイクルも発達します。
空腹ではなくても睡眠サイクルが浅くなるタイミングで周囲確認の覚醒をするようになります。
「吸いながら寝る」を繰り返していると、「吸う」動作は半分寝ていてもできるくらい無意識の動作。ミルク・母乳を「飲む」ということが入眠の癖として強くつきやすくなります。
寝る前の栄養はとても重要ですが、体内時計が発達してくると「寝る直前の満腹」というよりは日中にとれた栄養の量で、夜間授乳の量(長く眠る時間の長さ)が決まります。
寝る直前の栄養でその後の連続睡眠時間は変わりませんので、寝る前だけミルクを足す必要はありません。日中のトータルの量を増やすことが大切です。
母乳ミルクの後、ルーティーンの別の活動を一つ入れる”眠いけど起きている”(Drowsy but awake)状態を目指しましょう。
<POINT>
覚醒時間を把握して先回り。
母乳・ミルクで寝落ちないのがベスト。
母乳・ミルクはルーティーンの最初の活動にする。
1人で寝る力を育む第一歩のDrawsy but wake (眠いけどしっかり起きている)については以下の記事をご覧ください。
栄養面からの寝る前の母乳ミルク(ベッドタイムスナック)
アメリカの小児科医睡眠会議(The Pediatric Sleep Council)では、生後6か月頃からは夜間の栄養が不要になる子もいるとしています。
つまり少なくとも10時間は栄養や水分を摂らずに過ごすことができるということです。When can he go all night without a feeding,The Pediatric Sleep Council
とはいえ、寝る前の栄養は、夜間、空腹を感じず過ごすためにとても重要。
特に子どもは飲まず食わずの状態の時間が長くなる場合には低血糖にも注意が必要です。
夕食から就寝まで90分以上時間が開く場合には、寝る前の栄養と水分の補給(ベッドタイムスナック)を。
また、夜間の母乳ミルクがなくなった後、それまでトラブルがなくても、
- 早朝に空腹で起きてしまう。
- 寝る前にお腹が空いて食べ物をねだる
などがある場合も寝る前の栄養を増やすのも大切になります。
<寝る前の栄養のポイント>
●1歳ごろまで●
寝る前に母乳・ミルクをしっかりと
(入眠の癖にならないようにタイミングに注意)
●1歳を過ぎたら●
母乳ミルクに加えてベッドタイムスナック
オススメのベッドタイムスナック
寝る前の栄養で大切なことは、
- 血糖値が急上昇しない。
- 少量でも栄養があり満足度が上がるもの。
繊維質が多く含まれるものは血糖値の急上昇を押さえます。また、たんぱく質脂質のバランスが良いものがオススメです。
<おすすめベッドタイムスナック>
- バナナのヨーグルト和え
- チーズ
- 全粒粉のパンやクラッカーにクリームチーズを塗る
- きなこバナナ
- 豆腐 など
牛乳への切り替えは要注意!
1歳に近づくとミルクや母乳を止めることを考え始める方も多いですが、特にミルクや母乳を止める必要はありません。むしろ続けるメリットの方が大きくなります。
“離乳の完了とは、形のある食物をかみつぶすことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分が母乳又は育児用ミルク以外の食物から摂取できるようになった状態をいう。その時期は生後12か月から18か月頃である。食事は1日3回となり、その他に1日1~2回の補食を必要に応じて与える。母乳又は育児用ミルクは、子どもの離乳の進行及び完了の状況に応じて与える。なお、離乳の完了は、母乳又は育児用ミルクを飲んでいない状態を意味するものではない。”~—厚生労働省,授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)
牛乳は1歳までは飲ませない
米国小児学会では、1歳まで牛乳は与えないこととしています。その理由は、
- 牛乳にはたんぱく質やミネラルが多く含まれて1歳未満の赤ちゃんには消化できず負担になる
- 鉄分やビタミンC、成長期に必要は脂肪分など必要な栄養素が不足している
の二つが挙げられています。
1~2歳までの牛乳の注意点
しっかりとバランスよく食事から栄養(特に鉄分)が摂れるようになったら、少しずつ取り入れてもOK。
ただし、脳の発達に必要な脂肪分を牛乳には十分に含まれていないため、2歳の誕生日までは1%(低脂肪)または無脂肪(脱脂)牛乳を与えないこととされています。
夜間、授乳やミルクなくしっかり眠る準備は思っているより早く進んでいるかもしれません。夜中ぐっすり眠れる睡眠のベースと寝かしつけの習慣を作ってくださいね。
クークールナでは、
- 夜間断乳・ミルクのタイミングや方法へのアドバイス
- ネントレの準備から定着までのサポート
- 夜間授乳を残しながらの睡眠の安定
など、お子さまに必要な栄養を考えながら健康な睡眠習慣を作るお手伝いをしています。お気軽にお問合せ下さい☆