coucou-luna

Column 睡眠のおはなし

赤ちゃんが「夜通し寝る」のはいつから?

子どもの睡眠の発達・しくみ
赤ちゃんが「夜通し寝る」のはいつから?

赤ちゃんが”夜通し眠れる時期はいつから?”の疑問に答えるのはちょっと大変。

生後3ヵ月、生後6ヵ月、2歳以降という記述も。

睡眠も未熟な状態で生まれてくる赤ちゃん、睡眠の発達と仕組みから「夜通し寝る」時期を解説します。

その1.”夜”に睡眠がまとまるのは生後3か月頃

新生児から生後2ヵ月まで

起きてミルク・授乳をしては寝てを繰り返し、数時間寝る時もあれば、20分で起きてしまうことも多い時期。

睡眠と覚醒が不定期に切り替わり、1日のなかで睡眠の時間と活動の時間のそれぞれのまとまりは感じられません。

体内時計(昼夜の区別)の発達、睡眠と覚醒の規則性はなく、夜通し寝はまだまだ。

 

生後2か月前後

体内時計が少しずつ発達してきて、1日の中に「睡眠の時間」と「活動の時間」の二つがなんとなく分かれてきます。

ただし、まとまって寝る「睡眠の時間」が日中に。夜なのに、長く起きてしまう、昼夜逆転の状態(フリーラン)になることもあるので、「”夜”通し寝」の状態にはならない子もいます。

生後3か月頃~

身体の働きを日の出・日没のリズムに合わせる体内時計(サーカディアンリズム)が発達し、大人と同じように、夜の時間にまとまって寝て、日中は短い睡眠(お昼寝)を挟みながら活動するようになります。

この昼夜の区別ができて、夜に身体が睡眠(休息)の時間となるという意味での「夜通し寝」は生後3ヵ月頃からスタートです。

その2.夜間授乳がなくなるのは、生後6ヵ月ごろから。

新生児~生後2ヵ月頃は夜も日中と同じ頻度で栄養が必要です。

夜間に栄養が不要となる時期はアメリカ小児学会ではかなりはっきりと示されており、

正産期に生まれた赤ちゃんで発達に問題がなければ、生後6ヵ月頃には夜栄養を摂らなくてもよくなる(母乳栄養ではもう少し後になることも)

としています。

つまり、栄養面で「夜通し眠る」が可能となるのは生後6ヵ月頃からということになります。

※もちろん、生後6ヵ月になる前に夜間授乳がなくなる子もいます。

個人差に注意!

生後6か月以降になったから夜間の栄養を親主導でなしにできるというわけではありません

日中に摂る栄養の量や必要量は個人差が大きく、生後6ヵ月以降も夜間授乳が残ることも自然です。

ある研究では、生後6ヵ月児の約38%が夜通し眠れず、12ヵ月で夜通し寝ていない子は28%以下という結果も出ています。※

つまり、身体の発達として栄養を摂らずに朝まで『寝られる』ようになるの生後6ヵ月ごろからですが、生後6か月になったからといって、夜間のミルクや授乳を止めて「夜通し眠る」ことを目指すのは危険ですので注意しましょう

 

★夜間断乳についてはこちらの記事「夜間断乳はいつから?日中の栄養~授乳ミルクの回数をチェック」をご確認ください。

※Pennestri, M. H., Laganière, C., Bouvette-Turcot, A. A., Pokhvisneva, I., Steiner, M., Meaney, M. J., Gaudreau, H., & Mavan Research Team (2018). Uninterrupted Infant Sleep, Development, and Maternal Mood. Pediatrics, 142(6), e20174330.

赤ちゃんは動きながら&泣きながら「夜通し寝る」

体内時計が整い夜に睡眠の時間がまとまる+日中に1日に必要な栄養が摂れるようになったら、身体は夜通し寝ている状態になっています。

ただし、厳密には大人も子どもも、夜中何度も起きているので「夜通し寝」の状態はどのような状態かを知るのは大切です。

REM睡眠の仕組み

夢を頻繁に見るREM睡眠中は、身体の筋肉を動かさないよう神経ブロックが働いていて、夢の中での動作を実際にすることはありません。

ただし、赤ちゃんはこの「神経ブロック」が未熟なため、夢の中の動作が出てしまいます

寝ていながら、動く・声を出す・泣くは赤ちゃんにとっては普通のこと。

大人が持つ「夜通し寝る」のイメージの「朝まで泣かず・動かず」は、赤ちゃんにとっては発達・生理的に難しく、動いていても寝ている状態のことも多いもの。

大人がイメージする「朝まで静かに寝ている」状態は赤ちゃんにとっては難しく、目指すものではありません。

自然覚醒の仕組み

夜中の睡眠は寝付いてから起きるまで、一定ではなく、いくつかの睡眠のステージに分かれています。

寝始めの数時間は深い睡眠のステージ。

寝ついて4時間後からは、90分~2時間おきに定期的にREM睡眠の浅い睡眠が出現して何度も「周囲確認の自然覚醒」があります。

この時、大人は、周囲を確認してはすぐ眠り、起きたことは記憶に残りません。

赤ちゃんがもし自然覚醒の後、自分で入眠できずに保護者を起こすまで寝付けない場合は、「入眠の癖」がついています。

この場合は、身体は「夜通し眠れる」準備は整っていますので、自分で眠る力をつけることで「夜通し寝る」状態になります。

生後3ヵ月以降の夜の睡眠構造

生後3ヵ月以降の夜の睡眠構造

自然覚醒の後、速やかに眠りに戻る「自分で眠る力」をつけるためには、

「起きているうちにお布団に置いて自分で寝る」→Drowsy but Awakeの記事は「こちら

スリープトレーニング(ネントレ)が有効です。→ネントレの記事は「こちら

よく聞く「2歳になったら寝るよ」は?

経験的には2歳ごろからREM睡眠が頻繁に出てくるステージで頻回起きる傾向が減ってくる感じがします。だだし、その年齢になっても、「入眠の癖」がついていると、引き続き頻回起きが続くことが多いです。

「夜通し寝る」のまとめ

赤ちゃんが夜通し寝る時期は個人差が大きいです。早くから夜通し眠れる子もいれば、そうでない子も。

「夜通し眠れる」ことよりも、親子が健やかに毎日を過ごせる睡眠習慣をつけることに目を向けてくださいね。親子が睡眠不足にならないくらいの寝る力はどの子も持っています

また、夜中も「目を覚ます」のが自然なので、目を覚まさないことを待っていると、その日はなかなかやってこないかもしれません。

目を覚ましても自分で眠る力をつけて、ママパパが夜中起きて寝かしつけをしなくても済めば「夜通し寝」ですね。

 

赤ちゃんの「夜通し寝る」3つの条件

昼夜の区別がついて、夜は睡眠の時間になっている。

②日中に1日に必要な栄養を摂れるようになり、夜に栄養を摂る必要がなくなっている。

③寝言泣きや自然覚醒があっても、自力で再入眠できる力がある。

 

 

クークールナでは、

  • 月齢やその子の発達に合わせた睡眠の目標設定
  • 自力で寝る力をつけるためのトレーニングのサポート
  • 栄養・スケジュール・運動の発達その子の寝る力を最大限に発揮する土台作り

など、日中の過ごし方から夜の睡眠までトータルに睡眠のサポートをしています。
『良い睡眠はよい活動から。良い活動はよい睡眠から』
どうぞお気軽にお問い合わせください♪

 

<クークールナのネンネにお勧めスリーパ―>

世界で愛される安全安心&安眠のergopouch 10%OFFクーポンプレゼント!

クーポンコード:Sleepwell

ご購入の際にこの↑クーポンコードをご記入ください★

※クーポンコードは何度でも使えます

ご相談のメニューは
こちらからどうぞ

プラン一覧
川口リエ
この記事の執筆者

子どもの睡眠相談室クークールナ

代表 川口リエ(CISA認定小児スリープコンサルタント講師)