coucou-luna

Column 睡眠のおはなし

【睡眠コンサル解説】赤ちゃん・子どもの悪夢‐怖い夢を見た時は。

いろいろな睡眠トラブル
【睡眠コンサル解説】赤ちゃん・子どもの悪夢‐怖い夢を見た時は。

悪い夢・怖い夢、悪夢は誰でも見るものですが、赤ちゃんや子どもが悪夢を見ると睡眠トラブルの原因になることがあります。

悪夢が子どもや家族の睡眠を妨げる時、

  1. 悪夢の後に泣いてしまうなどでなかなか寝付けない
  2. 親があやして親子で睡眠が取れなくなる
  3. 悪夢の記憶が残り、夜寝ることを怖がる、寝たがらない

などが主なトラブルの内容になります。今日は、悪夢の特徴や原因、対処法をお話します。

悪夢の特徴(睡眠科学から)

悪夢はREM睡眠中に見ることが多いため、夜寝付いてから3~4時間の深い睡眠のステージが終わりREM睡眠が多くなる夜の後半~早朝に現れることが多いです。

悪い夢を見た時はドキドキしたり汗をかいている、イメージがありますが、REM睡眠中は声を出したり、身体を動かしたり、呼吸が荒くなる、発汗、または瞳孔の拡張などの自律神経症状見られないのが特徴です。

ドキドキしたり呼吸が荒くなるのは起きてから夢を思い出して不安感や脱力感を感じて起こるものといわれています。

悪夢のトラブルが始まるのはいつから?

悪夢に関しての研究は数多くあり、乳児から悪夢を見ているという報告もありますが、多くは3歳ごろからといわれ、悪夢のトラブルのピークは小学校低学年ごろまでとする研究が多いです。

悪夢を見る頻度やトラブルに性別による違いはありませんが、年齢が上がり10代になると女の子の方が多いという研究もあります。

悪夢の予防や対処法

快適な睡眠環境や寝る前の心身の準備をしましょう。

悪夢を予防することは難しいですが、できるだけ入眠時には気持ちを安定させて穏やかに寝付くことが大切です。

入眠を穏やかにするコツは「睡眠のベース」と「ルーティーン」

特に、大きくなるほどルーティーンが子ども任せになりがち。照明を落として親子で絵本を読んだり、お話をしたりルーティーンの内容も一緒に考えてみてくださいね。

不安や恐怖心をケアしてあげましょう

もし悪夢の記憶が残っていて、眠ることを怖がったり、暗い場所を怖がったら、「そんなの気のせいだよ」などとごまかさずに、その恐怖心が和らぐようサポートしてあげるのがいいです。

怖い対象がお化けや鬼で、夜現れると信じていたらお化けや鬼に対抗できる特別なアイテムを用意してあげるのもいいです。アメリカでは「モンスタースプレー」といってお化けを退治するスプレーが紹介されることがあります。

男の子なら武器を持って寝ると勇気が出るかもしれません(私の息子は武器でベッドを囲んで寝ていましたよ)

【安心アイテムの例】

  1. モンスタースプレーこのスプレーをまくと怖いものがいなくなる。お水とラベンダーなど香りをつけると「撒いた」実感が。
    モンスタースプレー

    私が作ったモンスタースプレー

  2. ドリームカード:「いい夢が見られるカード」を枕の下に。子どもが喜ぶ絵をカードを作る。何枚か作って毎日ひいても。
  3. ネンネのお友だちぬいぐるみなど夜中起きた時励まし合えるお友だちに。月齢が高ければ、子どもが安心するならたくさん選ばせてもOK
  4. 武器のおもちゃ、アクセサリーなど男の子は特におもちゃの武器があると勇気が出るかも。女の子も「強くなれる」と信じるおもちゃがあればそれもOK!ただし、夜中危険のないものを。

また、眠ることに良いイメージを持つことも大切。寝る前の本の1冊はスヤスヤ穏やかに眠るシーンで終わるネンネの絵本を読んであげるといいですね

夜中起きた時の対処法

穏やかに寝付いたとしても、夢は見てしまうもの。もし悪夢で起きてしまった時はどうするのがいいのでしょう。

なかなか泣き止まないと、明るくしたり、お水を飲ませたり、抱っこで気分転換etc…をしたくなりますがNG。

親があれこれ対応することが、悪夢の後の寝つきを悪くしたり、家族全員が慢性的に眠れない状態になるなど逆効果になることがあります

夜中突然泣き始めたら、それは、きっと夢。

親は慌てず、いつも通りの穏やかな声で「それは夢だよ。大丈夫だよ」

と声掛けを。子どもが気持ちを整理するまで時間がかかりますが、静かに見守りましょう。

落ち着いてきたら「ネンネしようね」となるべく自分でゴロンと眠る体勢になれるよう誘導してあげてくださいね。

悪い夢を見ても親が近くにいて優しく声掛け、スヤスヤ寝ていれば、怖いことは続いていないとわかります。大人と同じように「起きる」ことで「悪い夢が終わる=安心」となり、再入眠しやすくなります。

夜驚症と悪夢の違い

泣いて起き、なかなか落ち着かないので、夜驚症と悪夢は混同されやすいです。

共通点

どちらも、親が関わりすぎず、落ち着くまで見守ることが大切。

違い

夜驚症は、錯乱状態で半分覚醒。夢を見ながら動いたりわけのわからないことを言ったりします。
悪夢は起きた後は夢の中での動作をすることはありません。恐怖のため泣いたり、夢の内容を話すだけです。

夢ってホントは悪い夢ばかり?

悪夢を見るREM睡眠時は、大脳辺縁系、特に扁桃体が起きている時より活発です。

扁桃体というのは、強い情動(怒り、恐怖など)を沸き起こす場所。
つまり夢ってもともと刺激的なものが多く「良い夢」を見る方がレアなのかもしれません。

扁桃体

 

悪夢が増えると言われるのは3歳。

宣言記憶や心象といった発達が一段進むのが1歳半〜2歳と言われていますので、この頃から「夢」が一段と怖いストーリーになりそう

そして、子どももその怖さを伝えられるようになるのも発達の証拠です。

なので、「悪夢」として夜中の起きの原因を親が認識してしてあげられるのは主に言葉が出てきてからですが、それより前の小さい赤ちゃんにも、悪い夢(イメージ)が理由でなかなか寝付けないことはあるのでは、と私は思っています★

参考)
Sleep Foundation ”Nightmares in children
櫻井武,2017,睡眠の科学・改訂新版なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか,講談社

 

クークールナでは、1歳半以降の

  • 今まで一人で眠れていたのに急に眠れなくなってしまった
  • 夜中、部屋から出て親のベッドに来てしまう
  • そろそろ一人で寝てほしい。
  • 1人部屋で寝てもらうには? 
  • 3歳以降向けのネントレってある?etc…

お子さまの睡眠のお悩みへのアドバイスやも行っています。お気軽にご連絡ください。

ご相談のメニューは
こちらからどうぞ

プラン一覧
川口リエ
この記事の執筆者

子どもの睡眠相談室クークールナ

代表 川口リエ

・GuuMinスーパーバイザー

・クークールナスリープアカデミー講師