【睡眠コンサル解説】ネントレ失敗6つの原因~(ファーバーメソッド/タイムメソッド)
ネントレ(ファーバーメソッドやタイムメソッド)の失敗の原因は
①環境やスケジュールの準備不足
②方法自体の勘違い
③上手くいっているのにあと一歩のとことで止めてしまった
などのケースが多いです。
少なからずお子さんを泣かせたまま見守るという、普段の生活の中では行うことはほとんどない対応をしますので、親子ともに不安にもなりますよね。
だからこそ、しっかりと「夜泣きの解消」「親子ともにぐっすり」の結果につなげていきたいですね。
ファーバーメソッド(タイムメソッド)の失敗の6つの原因についてご紹介します★
目次
そもそも、なぜ効果があるの?(目的と原理)
ファーバーメソッドは、「眠りつづける」という行動を妨げている
寝ている間に起こる【赤ちゃん】泣く→【親】○○(授乳や抱っこ)という行動をなくし(消去)
子どもがスムーズに「眠る」という目的の行動ができるようにするためのものです。
下図の黄色の矢印は夜泣きのある状態。「泣く・あやす」のステップを通らずに「寝る」(赤矢印)にするのが「ネントレ(ファーバーメソッドなど)」になりますよ。
入眠の癖とネントレで変える行動
また、これまで「ひとりで眠る」をという経験がなかった子に「ひとりで眠る」経験をさせてあげ、自分で寝るスタイルを見つける時間をつくること。
これにより、寝返り、一人歩きなどと同じように、その行動を身体(感覚)で覚えることができるのです。
ちょっと見直しが必要(失敗)な状態
- メソッドをスタートして4~5日経っても、強い泣きの時間、寝付くまでの時間が短くならない
- 寝つきは良いが、夜中何度も起き、それまでの方法をしないと眠れない
- 2週間経っても夜中起きた時の泣きが長い
- 早朝(普段の起床時間の1時間以上前)に起きてしまう
など、ネントレ(ファーバーメソッド)を始める時は、どんどん眠れるようになって夜通し寝てくれると思っていたのに…という声が多いです。
6つの失敗の原因
1.月齢が合っていない
月齢が低すぎる
生後4ヵ月頃から導入できるとされている情報もあるようですが、月齢が低いと泣かせても効果がなかなか出ず、泣く時間がどんどん長くなりやすいです。
段階的消去法(ファーバーメソッド)の効果や安全性を確かめる数多くの研究では、生後6ヶ月以上が対象にされています。
●運動の機能が未熟
まだ寝返り、ズリバイなど自分の姿勢や移動が自由にできない赤ちゃんは
- 自分で落ち着ける体勢を作る(見つける)ことができない
- 不快感(背中が暑くなってきたなど)があっても姿勢を自分で変えられない。
- 夜間授乳も多く必要で、授乳が不要な「睡眠が浅くなっただけ」の起きの回数も少ない。
などなど、親が眠れる条件を整えてあげなければ寝付けないことが多いです。
●心理的に未発達
発達心理学では、「物の永続性」が発達してくるのは生後6ヵ月とされています。
見えていたものを隠した時にそれを探そうとするしぐさがあり、『見えないけどどこかにある=物は存在し続けている。(物の永続性)』を理解できるようになります。
ママパパは見えなくてもどこかにいる、ということが理解できないとメソッドの声掛けだけで「安心して寝ていい」といつまでも思えず、何日経っても泣きの長さが短くならないなどなかなか習慣として定着しません。
生後5カ月未満の早すぎるファーバーメソッド(タイムメソッド)の導入で失敗すると…
強い泣きが続き、どうしてもメソッドに一貫性が保てず、強く長く泣いたら○○(抱っこや授乳)など対応を変えてしまうと、「寝るためにはたくさん泣く必要がある」「眠い時はとりあえず泣く」と学習の強化がされてしまうと、その後の睡眠の安定に時間がかかってしまいます。
月齢が高すぎる
2歳ごろまでの赤ちゃんの発達段階は、「運動感覚期」とよばれ、寝返りやお座などをどんどん経験することで習得していく発達段階にあります。
『たくさん泣いたけど、泣いたのは寝たいから!結局眠れたからOK!』
となるのは、生後6ヶ月から「運動感覚期」が終わる1歳半ごろまで。
1歳半までは、本来の目的である「眠る」経験を結果的にでれば、泣いたことのプロセスよりは結果を重視しストレスにはなりません。
そして、1歳半以降は、発達が進んで、記憶のしくみが変わっていきます。
寝付くまでのプロセス(泣いたという状況)やストーリーごと覚えていくので、泣かせながら声掛けを繰り返していると、
- 何日経っても泣きが弱くならない
- 寝ることへの抵抗が大きくなり、寝かしつけのぐずりがどんどんひどくなる
など、親子のストレスが大きすぎてしまいます。
2.解決したいネンネのトラブルが「入眠の癖」が原因ではなかった。
頻回に起きる原因は、親の関りを求めているのではなく、ただ単に
暑い・身体が痒い・まぶしい、など「睡眠のベース」に原因がある場合。
親が介入を減らしても、眠れない原因を取り除かないと夜中度々起きてしまいます。
詳しくは↓の投稿をご確認ください。
3.寝かしつけが子どもの眠いタイミングと合っていない
ネントレは、一番眠いタイミングを狙って行うことで、眠気に負けて「取りたい癖」なしに1人で寝付く経験ができます。この「経験」がとても大切。
もし、親が寝室から出るタイミングが、
●早すぎる→眠気が高まるまで泣き続ける。
●遅すぎる→ベッドに置く前に寝てしまう(置いたとたんにひとりで眠る意識がなく寝てしまう)
置く前からぐずって泣きが激しくなる。
また、お昼寝は注意が必要です。
ファーバーメソッド(タイムメソッド)を取り入れた時はなかなか効果が感じられないこともあります。
4.ファーバーメソッド中に関わりすぎている
一番勘違いが多い部分になります。
●分待って、声掛けをしますが、声掛けは「あやす」のが目的ではありません。
「あやす」と書いてある情報は、ネントレの原理を理解できているか疑問です。
<●分後に声がけ(入室)する目的>
- 赤ちゃんの状態をチェックする
- 寝るときはベッド上で親の手を借りずに(取りたい癖なしに)寝付く経験をしてもらう
- 赤ちゃんに親はそばで見守っていて安全な状態にいることを伝える
もし、泣いているからと言って、抱っこをしたり触れると赤ちゃんは、
「たくさん泣いたら親がきてあやしてくれる」
「この短い関りの間に寝ないといけないんだ」
と勘違いしてしまいます。
これでは、「泣く→癖をしてもらう」という関連を取りたいのか、癖となっている行為を小出しにして疲れさせて寝落ちさせようとしているのかわかりません。
また、せっかく、親が来てこれで眠れる。。。と思ったのにまた置かれたら…さらに感情が高ぶり「寝る」から遠ざかってしまいます。
寝付くまでの時間が長引き、親の心が折れてただ泣かせてしまっただけ、で失敗の原因に。
快適な環境、眠気が整っていれば、泣いている間にも「そろそろママ(パパ)の声がするかな?」と予測し、その通りにママ(パパ)の声が聞こえることで安心して眠ります。
そして、これまでの癖がなくても、眠れること経験し眠れるようになりますよ。
5.長く泣かせて頑張ったのに元に戻ってしまう
せっかく「泣く→○○」の癖が取れようとしているのに、親が「もうだめだ」とあきらめて、元の○○での寝かしつけに戻ってしまうと、取ろうとしていた「泣く→○○」の学習が強化(間欠強化)されてしまいます。
<入眠前に「泣く」という行動を強化してしまうNG行動>
- 〇時間泣いたので、親がダメだと判断→結局最後は○○で寝かしつける。
- 1日目たくさん泣いたから次の日はちょっと泣かせて○○。そしてまた数日後「泣いても○○しない」を試してみる。
6.夜中~早朝の起きた時の対応が一貫できていない
ファーバーメソッド(タイムメソッド)をしたら、自然に「夜中起きなくなる」と思っていませんか?
子どもも大人も、夜中も睡眠が浅くなるタイミングで起きやすくなり、何度か起きています。これは自然なことです。
せっかく一人で寝る力がついてきているのに、夜中は、起きるたびに親が「寝かしつけ」ていたら…睡眠が浅くなるたびに反射的に泣いて親を呼ぶ癖はなくなりません。
<ファーバーメソッド「セルフねんね」「入眠の癖を取る」の本当の意味>
「起きる回数を減らす」でなく「起きてもまた自力で眠れる」
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まとめ
このようにファーバーメソッドの成功に必要なポイントはいくつかあります。
癖がなぜつくのか、癖がなぜとれるのか。その原理を理解しているでしょうか。
知っているとお子さんを無駄に泣かせたり、親子の信頼関係に不安を感じる必要もありません。
ファーバーメソッドが成功するまでの経過の見通しなどもあるとお子さんの泣きの状態も冷静に判断できますね。
少しでも不安を感じたら、無理せず一度中断して準備が整っているのか、方法に赤ちゃんを混乱させている要素がないか見直すみるのも大切です。
参考)Richard Ferber, 2004, ”Solve Your Child’s Sleep Problems” Touchstone
Written by Alexa Fry, Sleep Product Tester Medically Reviewed by Brad Nehring, Sleep Training, Sleep foundation Updated April 19, 2022
クークールナでは、
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