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Column 睡眠のおはなし

赤ちゃんが眠い時に頭を振る(ヘッドバンギング)、両足をバンバン、転がるetc…

いろいろな睡眠トラブル
赤ちゃんが眠い時に頭を振る(ヘッドバンギング)、両足をバンバン、転がるetc…

赤ちゃんは眠い時に頭を上下に振ったり(ヘッドバンギング)、ベッドの柵や壁などに頭を打つ、両足をバンバン打ち付ける、ゴロゴロ動くなどの反復運動をひたすら繰り返す動作をすることがあり、見ている方はケガをしないか、何か発達に問題があるのではないかと心配になりますよね。

律動性運動障害と医学的に呼ばれていますが、乳児期の場合は、ほとんどは精神的・体の発達との関連はなく心配のないもので、赤ちゃんによくみられる行動です。

このような行動が始まった時、どうしたらよいか、親のすべき対応などお伝えしていきます。

よくある寝る前の反復運動のバリエーション

以下の運動を、2秒に1回から1秒に2回のペースで数分間または一晩に何回も繰り返します

生後6ヵ月前後から始まるもの

  • 仰向けで両足をバタンバタン
  • 仰向けで顔を左右にブンブン振る
  • うつ伏せで頭をお布団に上げたり降ろしたり
  • ゴロゴロ寝返りを繰り返す など

生後9月前後からはじまるもの

  • 頭を壁やベビーベッド柵にぶつける
  • 座って身体を前後に揺らす
  • 四つ這いで身体を前後にゆらす など。

 

心身に何か問題があるの?

子どもの心身の問題が、こうした反復運動に現れていることは本当に稀で、生後9ヵ月の赤ちゃんの60%にこうした運動を確認した研究もあり、心配する必要はほとんどの場合ありません

また、夜中この行動をしている時、大人は「起きている」と感じてしまいますが、実は眠れています。

この行動はいつまで続くか気になると思いますが、少しずつ落ち着き1歳を超えると消失してくることが多いです

もし、こうした動作が原因で、著しく睡眠の質が落ちたり、日中の活動に影響がある場合は、「Rhythmic Movement Disorder (睡眠関連律動性運動異常症)」とされる場合もありますが、その割合は0.36~2.87%しかないとのことです

もし、

  • 著しく睡眠がとれない状態になっている
  • 日中の活性度が低くぼーっとしたり、ずっと機嫌が悪く積極的に動かない

などの状態があり気になる場合は専門科を受診されてくださいね。

※Emily Gogo et al.2019 Objectively confirmed prevalence of sleep-related rhythmic movement disorder in pre-school children,Sleep Med2019 Jan;53:16-21.

赤ちゃんのヘッドバンギング、反復運動の意味

明らかな理由は分かっていませんがこれまでの研究から、以下の可能性が挙げられています。

  1. 寝る前のリラックス
    ―見ていると痛そうですが、一定のリズムの刺激は意識が散漫になるのを防ぎ、赤ちゃん自身が寝付きやすくなるといわれています。
  2. 平衡感覚器を刺激して発達を促している
    ー耳の奥にある平衡感覚の器官を刺激することは子どもの発達に特別な役割があると言われています。ジャンプが好きだったり、ブランコが楽しくてたまらない、そんな感覚に近いものです。
  3. 不安感を落ち着けている
    ー小さい子どもにとって一定のリズムで動くことは不安感を落ち着ける時の行動としてよく見られる運動です。

どれも、赤ちゃん自身が大人に頼らず自分のために行っているものですよね。

特に眠い時や寝ている時は、脳が反射的な運動や情動を引き起こす部分「大脳辺縁系」の活性していますのでこうした行動が起きた時よりもわかりやすくなるのでしょう。
寝ている時の脳の状態については以下をどうぞ。

対処方法と親ができること

①見守る

親が動きを止める必要はありません。親が行動を止める行為自体が子どもの寝つきを邪魔したり入眠の癖になることがありますので、注意が必要です。

むしろ、自分で眠気のモヤモヤに対処して、自分で落ちつこうとしているので見守ってあげてくださいね。

こうした状況に対処しながら自分で眠ることができるスキルを育てるのが夜泣きやトラブル予防に最も大切です。

②寝室環境の安全を整える

乳幼児突然死症候群リスクを減らす寝室の環境を整ましょう。

特に、ベビーベッドは揺れによってグラグラしていないか確認を。ネジのゆるみがないか確認してください。

安全な寝室環境については以下をご確認ください。

③不安感を和らげるホワイトノイズの使用

暗闇や物音のしない環境い不安感を持っている場合もあります。その場合は、ホワイトノイズを流すのが効果的です。

音で外に向いて不安になりがちな意識を自分にとどめて寝やすくさせてあげましょう。

ホワイトノイズとは?使い方は

④寝かしつけのタイミングは合っているか確認を

眠気に沿ってスムーズに寝付くためには、

  • 眠くなりすぎていないか
  • 早く寝かしつけ過ぎていないか

が大切です。赤ちゃんも眠気が高まった時に眠れる環境があると気持ちよく入眠でき、反復運動の時間も短縮できると思います。

 

参考)

Medically Reviewed by Dr. Nilong Vyas,Written by Eric Suni, 2020, Babies and Head Banging at Night, Sleep Foundation

一般社団法人小児神経学会ホームページ

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川口リエ
この記事の執筆者

子どもの睡眠相談室クークールナ

代表 川口リエ(CISA認定小児スリープコンサルタント講師)