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Column 睡眠のおはなし

赤ちゃんの手足が冷たい!暑い?寒い?の見分け方。

睡眠のベース(環境・体内時計など)
赤ちゃんの手足が冷たい!暑い?寒い?の見分け方。

寝ている赤ちゃんの手足が冷たい!びっくりして慌ててお布団をかけたくなりますが、ちょっと待って。手足の冷えは暑い?寒い?のサインにはならないことも。

赤ちゃんが感じている、暑さ、寒さの見分け方をご紹介します。

赤ちゃんのネンネの環境・室温の目安

赤ちゃんのネンネの環境が必ず「涼しめ」を意識してくださいね。赤ちゃんは暑さに弱く、眠れないだけではなく、乳幼児突然死症候群のリスクとして「暑すぎること」が挙げられています。

室温の目安は、以下の表のとおりです。

室温 着せるもの目安
22~24℃ 半袖肌着・半袖上下
18~20℃ 半袖肌着・長袖ロンパース
6重ガーゼスリーパー(厚さの目安:2.5tog)

寝る時は「涼しめ」が適している理由

赤ちゃんに限らず大人にも睡眠の環境として適しているのは“涼しめ”

理由① 寝る時の体温の変化

眠る時は体温(脳温)下げ深い睡眠に入っていきます。

入眠の際は特に、スムーズに体温を逃がしやすくすることが安眠につながりますよ。

特にねんねの時は、「冷えないように」と、普段よりも多く着せたり掛けたりしてしまいますよね。

寝ている時は特に「大人より一枚少なめ」を意識してくださいね。

季節による室温設定

【冬】室温を暖かめ(18℃前後)にして薄着が安心

欧米では18度以下は赤ちゃんを着せすぎてしまうためこれ以下の室温はネンネに適さないとされています。

【夏】室温を涼しめにして、少し着せるくらいが安心

熱中症の危険の指標となる暑さ指数(WBGT)での危険度が高い日、室温・湿度を調整しましょう。

日本国内の暑さ指数(WBGT)は環境省ホームページで確認できます。

 

理由② 赤ちゃんは体温調節の機能が未熟

赤ちゃんはママのお腹にいる時、赤ちゃんの体温の方がママの体温よりも高い状態になっていました。

そのため、熱を逃がすことは特に不得意なまま生まれてきています。体温調節が未熟で、大人よりも新陳代謝も活発で暑がりな赤ちゃん。

乳幼児突然死症候群のリスクを下げるためにも決して温めすぎないように注意してくださいね。

 

手足が冷えは寒いとは限らない!暑い寒いの見分け方

身体の体温の変化を知っておこう。

体温は1日を通して日中の活動の時間には高く、睡眠中は低く変化しています。

夜は体温が低くなるように設定され(体温セットポイント)特に寝始めは、体温(脳温)の温度を下げようとしています。

そして、早朝に1日の最低体温になり、その後は起床後の活動のための高めの体温設定になり、活動に合った体温に向けてどんどん体温を上げていきます。

睡眠中の体温変化

睡眠中の体温変化。

体温調節の仕組みと手足の温度

体温調節をする時、身体の毛細血管の血流の量を変化させています。

【暑い場所にいる時・寝る前】現在の体温が身体の体温のセットポイントより高い時

手足の毛細血管が広がり体温を外に逃がそうとしています。手足はポカポカ。

胸や背中、体幹に近いところも熱くなり汗をかいています。

暑い環境、活動していた時間から睡眠に入る寝始めの時間帯や、高熱が出た時に熱が上がり切った時の状態で暑いと感じています

【これ以上体温を下げる必要はない時】現在の体温と身体のセットポイントが同じ時

手足の毛細血管は収縮(冷えている)してこれ以上熱を奪われないようにします。

手足は冷えていても、背中や胸などの体幹はポカポカ。快適です。

寝始めの深い睡眠が終わった頃(寝ついて3~4時間後)からは手足の暑さも落ち着いて冷え冷えでも快適タイム

【体温を上げたい時】寒い環境や体温がセットポイントよりも下にある時

手足の毛細血管は収縮(冷えている)しています。胸や背中など体幹も普段よりひんやり。震えなどもあるかもしれません。

寒い場所では体温を奪われないようにし、さらに身体の熱の産生を促します。

早朝、起床の活動に向けて体温を上げていくとき、体調不良での熱の上がり始め、身体が熱で感染症と戦おうとしている時も、体内のセットポイントよりも現在の体温が低い状態となるため、寒気を感じやすくなります。

まとめ

  • 赤ちゃんは暑さに弱い。涼しめが重要
  • 寝始めは、特に体温を下げようとする時間。涼しめが安眠につながります。
  • 体温がある程度下がった寝付いて4時間後以降は手足が冷え冷えでも快適かも。体幹が温かければ寒がっていない可能性が高い。

寝始めからどうしても着せすぎてしまうのは、赤ちゃんのネンネのスタートは、保護者の入眠の時間よりも早いため、親の体温のセットポイントはまだ低くなく「暑い」と感じにくいこともあります。

子どもは、大人より早く寝始め体温を下げる必要があり、さらに代謝も活発で暑がり。

SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のためにも、”涼しめ”を意識してくださいね。

参考)中山昭雄,1977,体温セットポイント,医用電子と生体工学,15- 3, 157-163

睡眠のベースの項目はこちらをご覧ください

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川口リエ
この記事の執筆者

子どもの睡眠相談室クークールナ

代表 川口リエ(CISA認定小児スリープコンサルタント講師)