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Column 睡眠のおはなし

寝落ちる瞬間の心理~ねんねルーティーンが効く理由

子どもの睡眠の発達・しくみ
寝落ちる瞬間の心理~ねんねルーティーンが効く理由

寝る前にひと泣きする赤ちゃんは多いです。少しでもスムーズに気持ちよく寝て欲しいものですね。

寝る前に何を考えているか、寝落ちる瞬間の心理や頭の中はどうなっているかを調べると、そのヒントが見つかりましたよ。

 

覚醒と睡眠の間の移行の時間の研究では、脳波を継続しながら入眠時の脳波の変化を見ながら、特定の脳波が出た時に起こして何を感じていたかを聞くという研究方法があります。

 

この研究から、覚醒~入眠の時間の間にも脳波の変化がありそれぞれのステージでどんなことを感じているかがわかってきました。

今日は睡眠と生理心理学の研究から推測されていることをシェアします。

ルーティーンの内容や効果についても納得するはず!

寝る瞬間の頭の中は…

寝る瞬間、頭の中で感じる、頭の中で浮かんでくる感覚を「心像」といいます。(夢のようなものと思ってください。)

覚醒から入眠までの「心像」を記録していくと、人が感じる感覚の『五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)』の中でも、視覚に関するものが多くなっていました。

覚醒から深い睡眠に入っていく過程をさらに細かく追ってみます。

お布団に入りまどろみ~ウトウト段階

目を閉じてすぐの最初の段階では、知っている人や風景など具体的な映像を多く見ています。

何かを思い出している感じ。知っているものや風景について抱く感情も感じていることでしょう。

浅い睡眠~深い睡眠への移行段階

深い睡眠になり脳波が活発になる部分が、脳の前→頭頂部→後頭部に移行していきます。

この時は、知らない人、色や静物物質などの象的な映像を見ていることが多くなり、深い睡眠の夢へとつながっていくといわれています。

起きている時は外の刺激に対して注意を向ける脳の注意機構の活性が、心像が出現している時の方が低下していました。

つまり、起きている時は外の世界に向けられていた注意機構が心像に向けられることで、外界への注意の配分容量が減少し深い睡眠に入りやすいことが分かりました。

寝る瞬間の「心像体験」に影響する2つの要素

❶入眠前に見た映像
入眠前に心地よい映像(静止画)を見るとウトウト期の心像体験が心地よいものになります。

ただし、不快な映像を見たからといって心像体験になるわけではないとのことです。

 

❷入眠直前の感情や状態
ポジティブな感情はネガティブな感情よりも入眠をスムーズに深い睡眠を促進する効果が示唆される研究が多くあります。

ただし、ポジティブな感情(楽しい・嬉しいなど)でも強い感情は入眠を邪魔することも。

まとめ~「寝る前の重要ポイント」

入眠前後は、頭の中で視覚的なイメージが現れて、視覚の刺激と感情が大きな役割を果たしていることが分かりました。

入眠前に行う「ルーティーン」はこうした刺激や感情をコントロールするためにとても大切な時間となりそうですね。

ネンネルーティーンに取り入れたい「絵本」

寝る前の活動は穏やかな気持ちとイメージが持てる活動を。特に視覚的な刺激は重要。

ママやパパの優しい声で穏やかな絵本を読むことは、入眠後の心像体験を心地よいものにし入眠に効果がありそう。

楽しくても嬉しくても、興奮はNGちょっと退屈くらいがちょうどいい!

寝る前にパパの帰宅でとっても嬉しくなってしまう!や寝室に移動したら気分が変わってきょうだいと大騒ぎ!は寝かしつけのお困りごとで多いですが、要注意です。

 

ネンネルーティーンについては、過去の投稿



も併せてご覧ください★

この記事の参考資料)H.TANAKA, T.Iwaki,2021,Significance of Psychophysiological Methods in Studies on Sleep Onset and Nine EEG Stages,生理心理学と精神生理学39(1)4−18,2021

 

クークールナでは、

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川口リエ
この記事の執筆者

子どもの睡眠相談室クークールナ

代表 川口リエ(CISA認定小児スリープコンサルタント講師)