【専門家解説】睡眠退行期-1歳 夜泣き・夜中に何度も起きる!原因と対処法

「睡眠退行期」は2歳までに訪れる
それまでと睡眠パターンが変わったり、急に眠れなくなる
(眠れないように感じる)時期をいいます。
- 生後3~4ヵ月
- 生後6ヵ月
- 生後8~9ヵ月
- 生後1歳
- 生後18ヵ月
- 生後24ヵ月
今日は、1歳前後の退行期の夜泣きとしてご相談の多い、
夜中に何度も起きるようになった
起きる度に寝かしつけ
授乳ミルクが増えたなど
の原因と対処法についてについてご紹介します★
目次
1歳前後の退行期の特徴
□これまで、夜中あまり起きることはなく、夜間授乳/ミルクは減っていたのに急に2時間おきに起きて、○○しなければ寝ない状態になる。
□夕寝が難しくなる。
□早朝に起きて寝付けなくなる
1歳前後の睡眠退行の原因
①伝い歩き・一人歩きができるようになる(移動能力の発達)
自分から親から離れることができるようになると、大好きな人を追いかけることができるようになりますね。
また、物理的に養育者から離れてしまうことも多くなり、養育者から守られていない不安感も急速に発達します。
つまり、養育者への愛着・分離不安が強くなります。
こうなると、睡眠中も眠りが浅くなる(90~120分)たびに養育者が近くにいるかチェック。
そして、セルフねんねで寝付いていないと、養育者も毎回あやさなければならず、眠るを繰り返すことになり、
「入眠の癖」があっという間についてしまうのです。
②お昼寝が少しずつ1回に移行していく。
お昼寝が1回になるのはもう少し後1歳2か月を過ぎてからが多いですが、
この時期から、ぐっと活動時間が伸びる子。
反対に歩き始めたばかりのお子さんは運動量が増え疲れて、お昼寝がもっと必要になったり。
お昼寝のリズムが崩れると
夜の睡眠の不安定につながることがあります。
1歳前後の退行期の対処の方法(のりきり方)
✔授乳/ミルクの時間を決める。
1歳までは授乳への執着も薄く「卒乳も近いな~」と思っていたのに、急にこの時期に執着が強くなり夜中も、睡眠が浅くなるたびに授乳になりやすいです。
この時期は夜間授乳は1回あれば十分。授乳が増えないように気をつけましょう。
睡眠と授乳/ミルクの関連を切ることで、自然に夜間授乳/ミルクがなくなることもあります。
もし、卒乳まで授乳を続けたい場合は、授乳を夜1回残しておけば、母乳の分泌を維持しながら夜泣きもなくなりますよ★
※いきなり夜間断乳ではなく、増えてしまった授乳は徐々に減らしていくのをオススメします。
✔夜中起きた時、あやす方法を統一する
この時期になると泣きも一層大きくなりますね。
夜中、授乳/ミルクの時間ではないタイミングで起きた時。
授乳/ミルク以外で寝かせることが大切です。
ただし、抱っこで立ってゆらゆらなど、親の負担が大きい方法でのあやし方をしてしまうと、その「入眠の癖」が親の睡眠を邪魔することに。
起きて泣いても親は寝ながらあやし、夜中の相手は「ここまで」の境界を決めて一貫しましょう。
✔夕寝の長さ・タイミングを調整する
まだまだお昼寝が2回必要な子が多いので、就寝までの活動時間が長くなりすぎないよう、
寝なくても、30分~1時間の休息時間を作りましょう。
夕方は寝付きにくい時間帯、家事が忙しい時間になりますので、抱っこ紐を使うなど家事をしながらでOKです!
✔夜の就寝時刻を夕寝の有無に合わせて調整する
夕寝がどうしてもできなかったら就寝時間を少し早める。
夕寝の終わりが遅くなってしまったら、「就寝まで少し時間がかかるな」と思ってくださいね。
なかなか寝なくても、体内時計が乱れないようにいつもの時間には、お部屋の照明は暗くして過ごしましょう。
✔入眠の癖がついてしまったら早めにとる(ネントレ)
「入眠の癖」がこの時期につくと、この先2歳以降まで執着が強くなります。
まだまだネントレによる「入眠の癖」の消去は、短時間でしっかり定着しやすい時期。
睡眠のベースをしっかり整えて、ついてしまった「入眠の癖」をとりましょう。
もう、夜通し寝る力はしっかりついていますよ★
✔離乳食をこまめにしっかり与える。
離乳食がすすみ、よく食べるから、と授乳やミルクが減っていく時期ですね。
ただ、まだこの時期の消化吸収機能は未熟で食べられる量も少ないです。
夜の就寝時間10時間以上しっかり眠るためには、日中しっかり食べておくことが大切。
※補食は赤ちゃんせんべいなどではなく、タンパク質も含まれるものにしてみてください。ヨーグルトやチーズ、フォローアップミルクを飲み物にして空腹を満たすだけではなく、成長に必要な栄養素を意識しましょう。
参考文献)発達心理学の基礎と臨床②の科学から見た機能の発達,2013,平山諭他,ミネルヴァ書房
1歳の退行の時は「あっという間に入眠の癖が…!」ということがとても多いです。
これから2歳に向けてどんどん睡眠が安定してくる時期。
睡眠の環境を見直して良い習慣をつけておくとこの先1年、親子ともにしっかり眠れますよ。
クークールナでは、
- ネントレの準備(睡眠のベース)
- ご家庭に合ったネントレ方法
- 夜間授乳の減らし方
- お昼寝スケジュールの整え方
- 早朝起きの原因と対策
など1歳の睡眠のお悩みしっかりサポートしています★

- この記事の執筆者
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子どもの睡眠相談室クークールナ
代表 川口リエ(CISA認定小児スリープコンサルタント講師)