【睡眠コンサルタント解説】寝言泣きとは?見分け方。どうする?

「寝言泣き」とは、言葉の通り、寝ているのに寝言で泣くこと。赤ちゃんは自分の感情や要求を伝える時は「泣き」が最も有効な手段と思っていますから、もちろん夢の中でも「泣いて」自分を表現しています。
そして、「寝言泣き」の状態はただ泣くだけの他にも、
- 突然大声で泣く
- もにょもにょ声を発する
- 目を開ける
- 手足をバタバタ
- ハイハイ・立ち上がる・歩き出す など
全て赤ちゃんは寝ている時にすることがあります。
大人は寝言が多い人もいますが、大概は赤ちゃんほどでないはず。
赤ちゃんは夜中のこの騒々しさは普通なんですよ。
この「寝言泣き」赤ちゃんのネンネの力を育てたり安定させるためにはちょっと注意が必要ですので解説しますね。
目次
赤ちゃんが「寝言泣き」が多い理由
大人も子どもも寝ている時は、夢を見ていることが多いといわれています。
以前は、夢を見るのは睡眠が浅い時と考えられていましたが、実際には深い睡眠でも夢は見ています。
浅い睡眠は少しの刺激でも覚醒しやすく、その時見ていた夢を覚えていやすいので、そのように考えられたのかもしれません。
夢を見ている時、脳は働いていますが身体は休息の状態になり、脳の運動の信号を筋肉に伝えないようにブロックされています。赤ちゃんは、この神経ブロックが未発達なため夢の中での言動が実際に出てしまうことも多いのです。
寝言泣きに反応しすぎるとよくない理由
「寝言泣きは、また眠るかもしれないので見守りましょう」と書かれているネントレ本も多いですね。
寝言泣きを起こしてしまうと、どうなるのでしょう。
●寝言泣きへの対応が「入眠の癖」になるプロセス
①(寝言泣きで)泣く
↓
②親が起きたと勘違いしてあやす。
↓
③赤ちゃんは寝ていたのに起こされてパニック。泣き止まない、寝ない。
↓
④寝付くまであやしたり授乳ミルクを与えて、親の関りの中で再入眠していく
↓
⑤睡眠が浅くなり深くなるタイミングで親の関りの中で寝ることを条件づけてしまう(「入眠の癖」がつく)。
この行動を少なくとも、下の図のより夢の言動が出やすい浅い睡眠のタイミング(★印)で頻回に行っていると、より入眠の癖が強くしっかりつきやすくなります。
夜の睡眠のパターンのイメージ(成人)
寝言泣きの見分け方と対応法
見分け方の基本
見分けるのはほぼ不可能。待ってみて、寝るかどうか。
ええ~~(見分け方じゃない!)。と声が聞こえそうですが、
「寝言泣き」の見分け方は、本当に難しいです。泣いたり、目を開けたり、動き始めるなど起きていると見わけがつかないことがほとんどなので、泣き声などで判断せず、まずは、泣き始めても30秒くらい様子を見ます。※心でゆっくり30までカウントする感じでOKです。
●寝る→寝言泣きだった。
●寝ない→ほんとに起きちゃてる
寝ないなら、次は起きている原因を取り除いたり、寝かせることになりますね。
親が関わりすぎて赤ちゃんの「ひとりで眠る力」を奪わないように、「寝かしつけ階段メソッド」を取り入れて最小限の関りで再度寝かせてあげましょう。
寝言泣きの確率が高い時間帯
実は寝言泣きの確率が高い時間帯があります。
それは、生後3か月を過ぎていれば、赤ちゃんが寝付いて3時間以内。
この時間帯は、深い眠りが続くステージ(上の睡眠の表を見てくださいね)。
深い眠りの最中の夢で寝ぼけて大騒ぎしても、授乳や抱っこなどをしなくても比較的スッと寝てくれるはずですよ。
もし、そこですぐに眠れないなら、深い眠りになれない原因があるかも。「睡眠のベース」を見直してみましょう。
睡眠のベースはこちらをどうぞ
寝言泣きを見守る時間の難しさ…
5分以上になると、最初は「寝言泣き」でもしっかり覚醒してしまうこともあります。
10分以上泣いて眠れる子は、「寝言泣き」から一旦覚醒してもその後自分で再入眠できる力のあるお子さんが多いですよ。
昼夜の区別(体内時計)がついてきたら
生後3ヵ月頃から体内時計がしっかり整ってきます。人の自然なリズムは、日中は起きて栄養を取ったり運動をする、夜は栄養を摂る機会を減らし眠ることなので、このリズムを尊重しましょう。
30秒見守った後は、「寝かしつけの階段メソッド」を取り入れますが、授乳間隔が日中より短くならないように、「階段メソッド」授乳の前まででやめます。
待っても「寝言泣き」で眠ることはない=入眠の癖がついている
既に夜中頻回起きがあり、毎回授乳やミルク、抱っこで寝かしつけている場合は、見守っても再入眠するどころか泣きがヒートアップ。結局、授乳ミルク、抱っこ、トントンetc…ということになりやすいです。
それは、既に睡眠が浅くなる度に親を呼んで「寝かせてもらう」入眠の癖がついてしまっています。
こうなると「寝言泣き」を期待しても、眠れません。
「入眠の癖」がついている時に大切なこと
「寝言泣きはスルー」を意思して、最初泣かせて→いつものあやし。
としてしまうと、余計に泣く時間が長くなったり、強くなります(「間欠強化」)ので、入眠の癖がついている時の「寝言泣き」の見守りはお勧めしません。
入眠と睡眠の関連(入眠の癖)をしっかり取りましょう。
入眠の癖が無くなれば、起きる回数を減らしたり「寝言泣き」でちょっと起きてしまっても自分でまた眠れるようになります(本当の寝言泣きで終わります)
入眠の癖の取り方はコチラ
まとめ
- 寝言泣きは、泣き方や動作で見極めるのは難しいので、まずは待ってみる。
- 寝なそうなら「寝かしつけの階段」のステップで親が関わりすぎず「自分で眠る力」を奪わない。育てる。
- 「寝言泣き」から毎回覚醒して毎回親が寝かせている場合は、「入眠の癖」がついている。しっかり入眠の癖を取り、眠りが浅くなってもまた一人で再入眠できる力をつけることが大切。
クークールナでは、
- 低月齢から始める「ネンネの力」を育む寝かしつけ・スケジュール作り
- ついてしまった「入眠の癖」を取るネントレサポート
- 子どもに合ったネントレのアレンジ など
アドバイスしております。お気軽にご相談ください。

- この記事の執筆者
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子どもの睡眠相談室クークールナ
代表 川口リエ(CISA認定小児スリープコンサルタント講師)